話題にのぼる　「登る」「上る」「昇る」正しい漢字はどれ？

「のぼる」という漢字は「登る」「上る」「昇る」とありますが、区別しようと思うと意外と知らない人も多いのではないかと思います。論文・小論文では頻出の漢字でもあるので、きちんと整理して使えるようにしておきましょう。ここでは、「登る」「上る」「昇る」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「登る」「上る」「昇る」の違い

登る（のぼる）

意味：よじのぼる時に使われる。

「登る」は「登山」などのように地面や木などの物体を足掛かりとして、体を使い意図的に上の方へ移動することを言います。その他に「マウントに登る（登板する）」のように「他より一段と高い所へ移り進むこと」にも使います。一歩一歩踏みしめながら移動するイメージです。

上る（のぼる）

意味：「登る」「昇る」以外の広い意味に使われる。

「上る」は一般的に一番よく使われている漢字で、「登る」「昇る」以外の広い意味に使われます。対義語は「下る」「下りる」になります。

昇る（のぼる）

意味：日が勢いよく高くあがることに使われる。

「昇る」は空中へ高く上がることを意味します。「太陽が昇る」など意図したものではなく、自然に何かが上の方へ行く時に使われます。その他には「エレベーターで昇る」など機械を使って上へ行くことにも使います。一気に移動するイメージです。対義語は「降りる」になります。

「話題にのぼる」は話題が人に取り上げられて表へ出ることで、よじのぼることでも、勢いよく高く上がることでもないため、ここでは「上る」が正解です。

例文1：子どもの頃、家の庭にあった大きな木によく登っていた。

「木にのぼる」は意図的に木の上の方へ移動するであり、一歩一歩踏みしめながら移動するイメージなので、ここでは「登る」を使います。

例文2：壇上に登ったら、緊張して何も話せなくなってしまった。

「壇上にのぼる」は壇上という他より一段と高い所へ移り進むことであり、一歩一歩踏みしめながら移動するイメージなので、ここでは「登る」を使います。

例文1：坂道を上ると大通りに出ることができる。

「坂道をのぼる」は意図して物理的に坂道を上へ移動することで、よじのぼることでも、勢いよく高く上がることでもないため、ここでは「上る」を使います。

例文2：就職面接の時に話題に上ったのは母校のことだ。

「話題にのぼる」は話題が人に取り上げられて表へ出ることで、よじのぼることでも、勢いよく高く上がることでもないため、ここでは「上る」を使います。

例文1：リフトで展望台に昇ることができるので是非行ってみたいと思っている。

「リフトでのぼる」はリフトという機械を使って上へ行くことを意味し、一気に移動するイメージなので、ここでは「昇る」を使います。

例文2：明日、朝日が昇ったら出発しなくてはらない。

「朝日がのぼる」は朝日が勢いよく高く上がることを意味し、一気に移動するイメージなので、ここでは「昇る」を使います。

「のぼる」は「登る」「上る」「昇る」がありますが、「登る」は登山のように一歩一歩よじのぼること、「昇る」は日のように空中に一気にのぼること、「上る」はそれ以外の広い意味に使われます。論文・小論文ではうまく使い分けて使えるようにしておきましょう。