「せっせい」は「節制」「摂生」の2つの漢字があります。それぞれは同じ音ですが用法が違うため、論文・小論文ではそれぞれを区別した上で使えるようにしておきましょう。ここでは、「節制」「摂生」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「節制」と「摂生」の違い
節制(せっせい)
意味:度を越さず控えめにすること。
節制は理性によって欲望や欲求をコントロールするときに使います。節制は飲食に限らず幅広い欲望に対して使えます。
摂生(せっせい)
意味:飲食などを慎み、健康に注意すること。
「摂生」は、養生のことで、健康に注意するという意味に使います。主に健康に注意することに限ります。対義語は「不摂生」となります。
食事をせっせいするは節制が正しい
「食事をせっせいする」は食事の度を越さず控えめにすることなので、ここでは「節制」が正解です。
「節制」の例文
例文1:健康のために酒やたばこは常に節制した方がいい。
「酒やたばこをせっせいする」は酒やたばこの度を越さず控えめにすることなので、ここでは「節制」を使います。
例文2:もうテストまで時間がないので、クラブ活動を節制して受験勉強の時間にあてる。
「クラブ活動をせっせいする」はクラブ活動を度を越さず控えめにすることなので、ここでは「節制」を使います。
「摂生」の例文
例文1:医者の注意を守って摂生に努めれば、きっと早く退院できるでしょう。
「せっせいに努める」は飲食などを慎み、健康に注意することなので、ここでは「摂生」を使います。
例文2:不摂生がたたって病気が悪化した。
「不せっせい」は暴飲暴食をし、健康に留意しないことなので、ここでは「摂生」を使います。
論文・小論文で「節制」と「摂生」を使い分ける視点
控えるという意味の「せっせい」には「節制」「摂生」の2つがあります。その使い分けとしては、健康に注意するかどうかという点です。その点「摂生」は健康に注意することにしか使えません。論文・小論文ではその点について気を付けて書いていきましょう。