「いちり」は「一利」「一理」の2種類がありますが、それぞれの使い方は違いがあります。論文・小論文ではそれぞれの意味を把握してしっかり使えるようにしていきましょう。ここでは「一利」「一理」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「一利」と「一理」の違い
一利(いちり)
意味:一つの利益、一面からの利点。
一理(いちり)
意味:一応の道理、理屈。
彼の言うことにもいちりあるは一理が正しい
「彼の言うことにもいちりある」は彼の言うことも一応の道理があるということなので、ここでは「一理」が正解です。
「一利」の例文
例文1:タバコを吸うのは百害あって一利なしだ。
「百害あっていちりなし」は百害はあっても一つの利益もないということなので、ここでは「一利」を使います。
例文2:どんなことにも一利一害で絶対にいい事ばかりでもない。
「いちり一害」は利益もあるがまた害もあると言うことなので、ここでは「一利」を使います。
「一理」の例文
例文1:ずっと自分の考えにこだわっていたが、いろんな意見を聞くとそれも一理あると思えるようになった。
「それもいちりある」はそれも一応の道理があるということなので、ここでは「一理」を使います。
例文2:先方の言い分にも一理ある。
「言い分にもいちりある」は先方の言うことも一応の道理があるということなので、ここでは「一理」を使います。
論文・小論文で「一利」と「一理」を使い分ける視点
「いちり」は「一利」「一理」がありますが、「一利」は利益、「一理」は道理と覚えておきましょう。論文・小論文ではそれぞれの漢字を正しく書けることも大切です。