「恨む」「怨む」「憾む」は使い間違えると意味が大きく変わってしまう言葉でもあるため、論文・小論文で使う際には気を付けて使いたい漢字となります。ポイントをおさえてしっかり区別して使えるようにしましょう。「恨む」「怨む」「憾む」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「恨む」「怨む」「憾む」の違い
人をうらむは「恨む」、「怨む」が正しい
人をうらむは自分でない他人をうらむため、「憾む」は使えません。人をうらむというときは、「恨む」か「怨む」を使うようにしましょう。「うらむ」程度が「不満」なのか「憎悪」なのかによって使い分けをします。
「恨む」の例文
この場合の「相手をうらむ」は不満に思う程度のことで、呪う程度のことではありません。そのため、ここでは「恨む」を使います。
この場合もまだ不満に思う程度のことで、呪う程度のことではないため、ここでは「恨む」を使います。
「怨む」の例文
この場合の「うらむ」は一生うらむというかたき討ちや復讐のニュアンスがあるため、「怨む」を使います。
この場合の「うらむ」は先代から続く長いうらみを果たすということなので、かたき討ちや復讐というニュアンスがある「怨み」を使います。
「憾む」の例文
これは他人ではなく、自分自身のせいで招いた結果に残念だと思ったので、「憾む」を使います。
これは漢字のミスをしたのは自分自身なので、「憾む」を使います。
論文・小論文で「恨む」「怨む」「憾む」を使い分ける視点
「恨む」「怨む」「憾む」は使い間違えると意味が大きく変わってしまう言葉です。「事故をうらむ」を「恨む」にすると、「事故のせいで電車が遅れ、遅刻した」など、事故によって不満が生じたことを想起させ、「怨む」にすると、「事故で大切な人が亡くなった」など、強い憎悪が生じたことを想起させ、「憾む」にすると、「自分自身が事故を起こしてしまった」など、後悔の念が生じたことを想起させます。論文・小論文では、読者を納得させる論の展開が大事になってくるため、冒頭から誤った想起を読者に植え付けることはマイナスになるため、漢字の使い間違えには気を付けましょう。