「いる」という漢字はたくさんあり、論文・小論文を書く際には迷いやすい言葉でもあります。しかし、それぞれ比較的わかりやすい違いがあります。それを理解して誤用しないように気をつけましょう。ここでは「入る」「要る」「居る」「射る」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「入る」「要る」「居る」「射る」の違い
気にいるは「入る」が正しい
「気にいる」はその状態の程度が非常に深いことを意味しているところから、慣用句の一種で好ましく思うことを表します。「お気に入り」などの表現もよく使われますよね。
「入る」の例文
ここではチェロの音色を聞くという動作が非常に深くなってしまったところから、「入る」を使います。
ここでは消えるという状態が非常に深くなってしまったところから「消えいる」は「消え入る」を使います。
「要る」の例文
ここでの「いる」はお金が必要という意味なので、「要る」を使います。
ここでの「いらぬお世話」は必要ない世話という意味なので、「要る」を使います。
「居る」の例文
ここでは午後3時からずっと現実に研究室に存在しているというところから、「居る」を使います。
ここでの「居ても立っても居られない」は心配や気になることがあって心が落ち着かず、そわそわしたり、苛々したりすることなので、落ち着いてその場に存在していられないということを意味するので、「居る」を使います。
「射る」の例文
ここでの「心をいる」は心を「つかむ」ということになります。そのため、心をいるは「心を射る」を使います。
ここでの「的をいた」は「要点をつかんだ」という意味になるので、「射る」を使います。
論文・小論文で「入る」「要る」「居る」「射る」を使い分ける視点
論文・小論文で「いる」を使うときは、「要る」は必要、「居る」は存在を表すことが多いでしょう。そして、「入る」を使うときは、慣用句や接尾語的に使ことが多く、その動作や状態の程度が非常に深いことを意味するときに使うと覚えておきましょう。「射る」は実際に矢で的を射るということを表現することは少ないですが、「的を射る」「心を射る」などの使い方は多く出現する可能性があります。それぞれの特徴をおさえて、色んな表現で使えるようにしておきましょう。