「しもん」は「諮問」「試問」などの漢字がありますが、似たような漢字の組み合わせなので、その意味についてはわかりにくいところがあります。ですが、意味をよく把握していないと論文・小論文ではなかなか文章にできないという問題が出てくるため、語彙数を増やすためにもしっかり漢字と意味をセットにして覚えておくようにしましょう。ここでは、「諮問」「試問」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「諮問」と「試問」の違い
試問(しもん)
意味:試験のために質問すること。
「試問」は受験者の能力・適性・意欲を測る試験のために質問をすることです。質問形式で答えを出すため、対義語としては、問題を解いて答えを出す「解答」などがあります。
諮問(しもん)
意味:専門家・識者に意見を求めること。
「諮問」は、政策上の重要な判断・意思決定をするために、そのジャンルに詳しい専門家や識者に意見や考えを求めることです。対義語は、その諮問にこたえる意味の「答申」などがあります。
口頭しもんは試問が正しい
「口頭しもん」は、試験官の質問に対し口頭で答えさせる試験のことです。面接とは異なって、学問や専門的な知識などがあるかどうかを確認するために行われる質疑応答の試験のことです。そのため、ここでは「試問」を使います。
「諮問」の例文
例文1:緊急事態にもかかわらず、諮問委員会はいまだに具体的な方針を出せていない。
「しもん委員会」は、政策上の重要な判断をするため、専門家を集めて意見や考えを求めることのため、ここでは「諮問」を使います。
例文2:感染症と経済のバランスを取るための諮問会議が明日開かれる予定だ。
「しもん会議」は専門家を集めてその答申を聞く会議のことなので、ここでは「諮問」を使います。
「試問」の例文
例文1:最終面接は口頭試問があるので準備しておかないとならない。
「口頭しもん」は口頭で質問に答えることなので「試問」を使います。
例文2:入試では時事問題に関して試問されました。
「時事問題に関してしもんする」は、時事問題についての質問に答えることなので「試問」を使います。
論文・小論文で「諮問」と「試問」を使い分ける視点
「諮問」は専門家に意見を聞くことで、「試問」は試験のための質問をすることです。2つは意味的には共通点がないため、論文・小論文では混同するとまったく意味が通じないものになるので気を付けましょう。「しもん」は意味の難しい言葉でもあるので、論文・小論文でスムーズに使えるようにするためには、例文での使い方を把握しておくことは重要です。