「じにん」という言葉は「自任」「自認」「辞任」などがありますが、音は同じでもそれぞれ意味は違います。論文・小論文ではそれぞれの意味を理解した上で正しく使えるようにしていきましょう。ここでは、「自任」「自認」「辞任」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「自任」「自認」「辞任」の違い
自任(じにん)
意味:(能力や資格を)自負すること。
「自任」は自分にはそれがふさわしいと思うことを意味します。「私に任せて大丈夫」というようなポジティブなニュアンスで使われます。
自認(じにん)
意味:客観的に自己の在り方や自己の行為に伴う結果などを自分で認めること。
「自認」は自分がした行為を、自分自身で認めることを意味します。自分の行動によって失敗が引き起こされた場合などにも「自認」は使われます。
辞任(じにん)
意味: 今まで就いていた任務・職務を自分の意志で辞めること。
似たような言葉で、「退任」「退職」がありますが、「退任」は任務を退くことで、職場を辞めることとイコールではなく、「退職」は現職を退くことで、任期満了など必ずしも自分の意志で辞める場合でない時も使われます。
性じにんは自認が正しい
「性じにん」は自身の性をどのように認識しているか」という自己意識の概念なので、ここでは「自認」が正解です。
「自任」の例文
例文1:自分こそはチームのリーダー的存在だと自任している。
「リーダー的存在」であることを自負しているということなので、ここでは「自任」を使います。
例文2:芸能界の事情通だと秘かに自任している。
「事情通だとじにんする」は事情通であることを自負しているということなので、ここでは「自任」を使います。
「自認」の例文
例文1:試験があまりにもできなかったので、勉強不足を自認した。
「勉強不足をじにんする」は勉強不足だったことを自分で認めることを指すため、ここでは「自認」を使います。
例文2:彼が墓参りに来てくれたのは、今までの不義理を自認したからかもしれない。
「不義理をじにんする」は不義理だったことを自分で認めることを指すため、ここでは「自認」を使います。
「辞任」の例文
例文1:社長が突然会社を辞任する一幕があった。
「会社をじにんする」は今まで就いていた任務・職務を自分の意志で辞めることなので、ここでは「辞任」を使います。
例文2:大臣が辞任の意向を表明した。
今まで就いていた任務・職務を自分の意志で辞めることなので、ここでは「辞任」を使います。
論文・小論文で「自任」「自認」「辞任」を使い分ける視点
「じにん」という言葉はいくつもありますが、「自任」は自負すること、「自認」は自ら認めること、「辞任」は自らの意志で退職することと覚えておきましょう。論文・小論文を書く際には、特に「自任」と「自認」の使い分けを押さえておきましょう。