景気がかいふくする 「回復」「快復」正しい漢字はどっち?

「かいふく」には「回復」と「快復」の2種類の漢字があります。両方ともいい方向に転じるという意味の言葉ですが、それぞれ細かい点で使い分けがなされています。論文・小論文ではその点を気を付けて使えるようにしていきましょう。ここでは「回復」「快復」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「回復」と「快復」の違い

回復(かいふく)
意味:元に戻ること。
「回復」は、悪い状態になったものや一度失ったものがもとの状態に戻ること、もしくは元の状態に戻すことをいいます。「病気が回復する」など、もとに戻る途中のことも指します。
快復(かいふく)
意味:治ること。
「快復」は病気や怪我が治ることのみに使えます。「病気が快復する」などは全快の意味になります。常用外漢字なので代わりに「回復」を使うこともあります。

景気がかいふくするは回復が正しい

「景気がかいふくする」は景気がもとに戻るということ、病気や怪我が治ることではないため、ここでは「回復」が正解です。

「回復」の例文

例文1:今日はあいにく悪天候ですが、明日には回復するようです。

「悪天候がかいふくする」は悪い状況から元に戻ること、天気についての話題ということで、ここでは「回復」を使います。

例文2:彼の病状はかなり回復してきたようだが、まだ全快には至らない。

「病状が「かいふくする」は悪い状態から元に戻るということなので、ここでは「回復」が正解です。病気に関することなので「快復」を使うと思いがちですが、「快復」は全快のことをいうため、病気が治っていく途中という意味で、ここでは「回復」を使います。

例文3:信用を回復するには誠心誠意尽くさないといけないだろう。

「信用をかいふくする」は一度無くした信用を元に戻すということなので、ここでは「回復」を使います。

「快復」の例文

例文1:ご病気の快復をお祈りしております。

「病気のかいふくをお祈りする」は病気が全快することをお祈りするということなので、ここでは「快復」を使います。

例文2:友達の快復祝いをしようと計画中だ。

「快復祝い」は病気が治っている過程ではなく、全快したお祝いをするということなので、ここでは「快復」を使います。

論文・小論文で「回復」と「快復」を使い分ける視点

「快復」は病気や怪我に関することで、全快を意味するときに使います。その他は広く元に戻ることを意味する「回復」を使います。同じ「かいふく」という同音異義語ですが、意味は全く違うので、論文・小論文では間違えないように使えるようにしておきましょう。

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