「見ざる聞かざる言わざる」の意味と例文

「見ざる聞かざる言わざる」は日常でもよく使われることわざです。具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「見ざる聞かざる言わざる」の意味と例文を紹介していきます。

「見ざる聞かざる言わざる」の読み方

読み方:みざるきかざるいわざる
「見ざる聞かざる言わざる」は「みざるきかざるいわざる」と読みます。「見ざる聞かざる言わざる」はこの形でことわざになっているため、その他のバリエーションはありません。

「見ざる聞かざる言わざる」の意味

意味:余計なことは見ない、聞かない、言わないほうがいいということ
「見ざる聞かざる言わざる」は「三猿」と言い、日本だけではなく、世界各国に似たようなものが存在しています。もとは古代エジプトで言われていた言葉で、「正しくないことは見るな、聞くな、言うな」という意味で使われていたと言われています。ですが、日本に入ってきたのは孔子の「論語」の「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、非礼勿動」の一節が由来だと言われています。これは、社会の規範や道徳を表す「礼」に対して反することを見たり、聞いたり、言ったり、行ったりしてはいけない(正しいことを行え)という意味です。他にも道教の庚申信仰が猿の使いだったところから、道教に由来するという説もあります。昔は庚申の日の夜に人の寿命が決まると言われていて、人々は天帝にマイナスの判断の告げ口をされないために、この日一晩中飲み明かしたと言われています。これらから、見る聞く話すことを慎み、厄難を避けるということで広く使われるようになったと言われています。また、天台宗の教えの中の「耳は人の非を聞かず、目は人の非を見ず、口は人の過を言わず」という止観(仏教の瞑想法の一つ)の教え、「感情を波立てたら、物事を冷静に観察することはできない」が由来だと言う説もあります。そして、「見ざる聞かざる言わざる」の「ざる」から3匹の猿を使って表現されるようになったと言われています。

「見ざる聞かざる言わざる」の例文

例文1:息子のやっていることを見るとついつい口出ししたくなるので、見ざる聞かざる言わざるで知らないふりをすることにした。
例文2:夫の家族とは距離を置いて見ざる聞かざる言わざるが一番上手く行くと思う。
例文3:見ざる聞かざる言わざるで何も知らないふりをしていたら人事でリストラ候補に挙がっていることを察知できなかった。
例文4:見ざる聞かざる言わざるで余計なことが入ってこないようにしないと自分の考えがぶれてしまいそうだ。
例文5:見ざる聞かざる言わざると言うけれど、子供が危ないことをしていたらやっぱり放っておけないだろう。

「見ざる聞かざる言わざる」をうまく用いる

「見ざる聞かざる言わざる」は日常でよく使われることわざです。論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。

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