あいせきの念に堪えない 「哀惜」「愛惜」正しい漢字はどっち?

「あいせき」には「哀惜」「愛惜」がありますが、それぞれ意味は異なります。論文・小論文で使うときにはきちんと区別して使えるようにしておきましょう。ここでは「哀惜」「愛惜」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「哀惜」と「愛惜」の違い

哀惜(あいせき)
意味:悲しむこと。
「哀惜」は、人の死などを帰らないものを悲しみ惜しむことを意味します。
愛惜(あいせき)
意味:大切にすること。
「愛惜」は人や物を気に入って大切にすることや深く愛することを意味します。愛するものを失うことを名残惜しむという意味で使うこともあります。

あいせきの念に堪えないは哀惜が正しい

「あいせきの念に堪えない」は悲しい気持ちが大きすぎて堪えられないという意味で、人の死などを帰らないものを悲しみ惜しむところから、ここでは「哀惜」が正解です。

「哀惜」の例文

例文1:彼が引退を告げた時、私の心は哀惜の想いでいっぱいになった。

「あいせきの想いでいっぱいになった」は悲しみの想いでいっぱいになったということなので、ここでは「哀惜」を使います。

例文2:大切な人を失って哀惜の念に堪えない。

「あいせきの念に堪えない」は悲しい気持ちが大きすぎて堪えられないという意味から、ここでは「哀惜」を使います。

「愛惜」の例文

例文1:このタバコケースは父の愛惜した遺品だ。

「父のあいせきした遺品」は父が気に入って大切にしていた遺品ということなので、ここでは「愛惜」を使います。

例文2:過ぎ去った青春を愛惜して、あの頃をよく思い出す。

「青春をあいせきする」は青春を名残惜しむということなので、ここでは「愛惜」を使います。

論文・小論文で「哀惜」「愛惜」を使い分ける視点

「あいせき」は「哀惜」「愛惜」がありますが、意味はそれぞれ違います。「哀惜」は悲しむ、「愛惜」は大切にすることなので、論文・小論文では違いを区別して間違えないようにして使いましょう。