いぜんとして予断を許さない 「以前」「依然」正しい漢字はどっち?

「いぜん」は「以前」「依然」がありますが、それぞれの意味は全く違います。論文・小論文ではそれぞれの意味を理解して実際の文中で使えるようにしていきましょう。ここでは「以前」「依然」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「以前」と「依然」の違い

以前(いぜん)
意味:ある時点よりも前。
「以前」はその他にある状態に達する前の段階の意味も持っています。
依然(いぜん)
意味:もとのままである様子。
「依然」は時間が経っても元の状態のままのこと、何も変化がない様子を表します。「依然」は単体で使うことはなく、「依然〇〇だ」と副詞的に使うことが多く、ネガティブな意味合いを含みます。

いぜんとして予断を許さないは依然が正しい

「いぜんとして予断を許さない」はもとのままである様子で予断を許さないということなので、ここでは「依然」が正解です。

「以前」の例文

例文1:締め切り以前に作品を完成させることができた。

「締め切りいぜん」は締め切り時点よりも前のことをいうので、ここでは「以前」を使います。

例文2:以前はそれほど野菜が好きでなかったのに、自分で家庭菜園をするようになってすっかり野菜好きになってしまった。

「いぜんは野菜が好きでなかった」はある時点よりも前は野菜が好きではなかったということをいうので、ここでは「以前」を使います。

「依然」の例文

例文1:我が社の働き方は旧態依然のままなので、若い新入社員がまったく入らない。

「旧態いぜん」は昔のまま少しも進歩がないという意味なので、ここでは「依然」を使います。

例文2:きちんと勉強しているのに、依然成績が上がらない。

「いぜん成績が上がらない」はもとのまま成績が上がらないという意味なので、ここでは「依然」を使います。

論文・小論文で「以前」と「依然」を使い分ける視点

「いぜん」は「以前」「依然」がありますが、それぞれの意味は全く異なります。論文・小論文では、「以前」はある時点より前、「依然」はもとのままと理解して、きちんと文中で使っていきましょう。

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