できあがるという意味の「きせい」は「既成」「既製」の2つがありますが、意味はそれぞれで違います。論文・小論文ではそれぞれの意味を理解して正しく使えるようにしていきましょう。ここでは「既成」「既製」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「既成」と「既製」の違い
既成(きせい)
意味:事柄がすでに存在していること。
「既成」は、事柄がすでに出来上がっていて、世の中によく知られた存在となっていることをいいます。
既製(きせい)
意味:品物がすでに仕上がっていること。
「既製」は品物がすでに仕上がっていて、注文を受けてから作るレディ・メイドのことをいいます。対義語は「オーダーメイド」になります。
きせい品は既製が正しい
「きせい品」はすでに仕上がっている品物のことを指すので、ここでは「既製」が正解です。
「既成」の例文
例文1:既成の事実を作ってしまえば、今更反対もされないだろう。
「きせいの事実」はすでに存在している事実のことなので、ここでは「既成」を使います。
例文2:既成概念にとらわれない生き方をしたいと息子はかねてから言っていた。
「きせい概念」はすでに成立している概念のことなので、ここでは「既成」を使います。
「既製」の例文
例文1:私は標準的な体型なので、既製服で十分用が足ります。
「きせい服」はすでに仕上がって売っている服のことなので、ここでは「既製」を使います。
例文2:既製の背広はオーダーメイドの半額以下で用意できます。
「きせいの背広」はすでに仕上がって売っている服のことなので、ここでは「既製」を使います。
論文・小論文で「既成」と「既製」を使い分ける視点
「きせい」は「既成」「既製」がありますが、それぞれの意味は「既成」は世の中によく知られていること、「既製」はすでに仕上がっていることを意味します。論文・小論文では漢字が間違いやすいので、それぞれ意味とともにきちんと書けるようにしておきましょう。