反対派はしゅくせいされていなくなった 「粛清」「粛正」正しい漢字はどっち?

「しゅくせい」は「粛清」「粛正」の2つの漢字がありますが、それぞれの意味は大きく異なります。論文・小論文では、違いに注目して正しく使えるようにしていきましょう。ここでは「粛清」「粛正」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「粛清」と「粛正」の違い

粛清(しゅくせい)
意味:追い出すこと。
「粛清」は政治関連の最高指導者や会社の社長など、基本的に人の上に立つ者が内部の対立者を排除することを意味します。独裁体制を強化し、組織の純度を保つことが目的でマイナスイメージを持ちます。追放や除名、投獄のほか、処刑なども行われますが、本来の意味に処刑の意味はありません。
粛正(しゅくせい)
意味:正すこと。
厳しく取り締まって不正を正すという意味です。粛正にはあまりマイナスなイメージはありません。

反対派はしゅくせいされていなくなったはしゅくせいが正しい

「反対派はしゅくせいされていなくなった」は反対派は追い出されておいなくなったことなので、ここでは「粛清」が正解です。

「粛清」の例文

例文1:会社の上司は上層部に逆らって粛清されたため、行き場がなくなってしまった。

「逆らってしゅくせいされた」は逆らって追い出されたということなので、ここでは「粛清」を使います。

例文2:スターリンは大粛清を行い、冷血な人物として印象づいた。

「大しゅくせい」は大掛かりに追い出されたということなので、ここでは「粛清」を使います。

「粛正」の例文

例文1:公務員の腐敗が明るみに出て、規律の粛正が徹底されることになった。

「規律のしゅくせい」は規律を正すことなので、ここでは「粛正」を使います。

例文2:都庁職員の指導や監督を徹底し綱紀粛正に努める。

「綱紀しゅくせい」は「綱紀」が国を治める大小の規律のことをいい、政治家や役人の態度を改めさせるという意味で使われるため、ここでは「粛正」を使います。

論文・小論文で「粛清」「粛正」を使い分ける視点

「しゅくせい」は「粛清」「粛正」がありますが、「粛清」は追放すること、「粛正」は正すことです。それぞれ違う言葉なので、論文・小論文で書くときには気をつけて使うようにしましょう。