静めることを意味する「ちんせい」は「鎮静」「沈静」がありますが、それぞれの意味はどう違うのでしょう?論文・小論文ではよく間違える漢字でもあるので、それぞれの意味を理解した上で文中で使えるようにしていきましょう。ここでは「鎮静」「沈静」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきましょう。
「鎮静」と「沈静」の違い
鎮静(ちんせい)
意味:人為的に静めること、静まること。
沈静(ちんせい)
意味:自然に静まること、静めること。
感染拡大がちんせい化に向かうは沈静が正しい
「感染拡大がちんせい化に向かう」は感染拡大が自然に静まることなので、ここでは「沈静」が正解です。
「鎮静」の例文
例文1:政府はデモを鎮静するため武力行使に出た。
「デモをちんせいする」はデモを人為的に静めることなので、ここでは「鎮静」を使います。
例文2:痛みがひどかったので、鎮静剤を飲んで抑え込むことにした。
「ちんせい剤」は人為的に痛みを静める薬のことなので、ここでは「鎮静」を使います。
「沈静」の例文
例文1:話し合いを始めるうちに互いの感情は沈静した。
「感情がちんせいした」は自然に感情が静まったことなので、ここでは「沈静」を使います。
例文2:一時高騰していたマスクの価格も、コロナ禍が落ち着いたら沈静化してきた。
「価格もちんせい化してきた」は自然に価格が静まって落ち着くことなので、ここでは「沈静」を使います。
論文・小論文で「鎮静」と「沈静」を使い分ける視点
「ちんせい」は「鎮静」「沈静」がありますが、論文・小論文ではよく間違える漢字のうちのひとつでもあります。それぞれ静めるという意味ですが、人為的かどうかという点で違いがあるので気を付けましょう。「鎮静」は人為、「沈静」は自然と区別しておきましょう。