「かんさつ」は「観察」「監察」の2つがありますが、それぞれの意味は違います。論文・小論文では違いに気を付けて使えるようにしましょう。ここでは、「観察」「監察」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「観察」と「監察」の違い
観察(かんさつ)
意味:注意深く見ること。
「観察」は物事の状態・ありさま・変化のプロセスを、客観的に注意深く見ることを言います。
監察(かんさつ)
意味:調べて取り締まること。
「監察」は行政や経営などの業務について、不正・違法行為がないかどうかを調査し取り締まること。「監察」には強権的なニュアンスがあります。
かんさつ処分は観察が正しい
「かんさつ処分」は犯罪者が社会の中で保護観察所の指導監督を受けながら更生を図る処分のことです。対象者を注意深く見ることから、ここでは「監察」が正解です。
「観察」の例文
例文1:朝顔の観察記録をつけることがこの夏休みの宿題です。
「かんさつ記録」は朝顔の状態・ありさま・変化のプロセスを、客観的に注意深く見てとる記録のことなので、ここでは「観察」を使います。
例文2:彼は素晴らしい観察眼の持ち主で、ちょっとした変化でも見逃さない。
「かんさつ眼」は物事を客観的に注意深く見る能力が長けているということなので、ここでは「観察」を使います。
「監察」の例文
例文1:行政監察局は行政全般が正しく行われているのかどうかを取り締まるところです。
「行政かんさつ局」は行政業務の不正・違法行為を調べて取り締まるところなので、ここでは「監察」を使います。
例文2:監察医は遺体を解剖して死者の死因を特定する医者である。
「かんさつ医」は死者が異状死でないかどうかを調べて取り締まる医者なので、ここでは「監察」を使います。
論文・小論文で「観察」と「監察」を使い分ける視点
「かんさつ」の漢字は「観察」「監察」がありますが、それぞれの意味には違いがあります。「観察」は客観的に注意深く見ること、「監察」は調べて取り締まることと区別しておきましょう。論文・小論文ではそれぞれの漢字に注目して覚えておきましょう。