五感の1つである「におい」は「匂い」「臭い」の2種類の漢字がありますが、その意味は全く違うニュアンスを持ちます。論文・小論文で書く時には、それぞれのニュアンスを上手に組んだ文章が書けるようにしましょう。ここでは、「匂い」「臭い」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「匂い」と「臭い」の違い
匂い(におい)
意味:鼻で感じる刺激の中で心地いいもの、不快でないもの。
「匂い」は鼻で感じる刺激の他にも、「ふるさとの匂い」など心地いいもの、不快でないものの雰囲気を表わすときにも使います。
臭い(におい)
意味:鼻で感じる刺激の中で不快なもの、くさい・きついと感じるもの。
「臭い」は鼻で感じる刺激の他にも、「不正の臭い」など不快なものの雰囲気を表わすときにも使います。
いいにおいに誘われるは匂いが正しい
「いいにおいに誘われる」は鼻で感じる刺激の中で心地いいにおいなので、ここでは「匂い」が正解です。
「匂い」の例文
例文1:花の匂いがする入浴剤に入ると幸せな気分になる。
「花のにおい」は鼻で感じる刺激の中で心地いいにおいなので、ここでは「匂い」を使います。
例文2:10年ぶりに実家に帰ったら、扉を開けたとたん懐かしい母の匂いが感じられた。
「母のにおい」は母の心地いいものの雰囲気を表わすにおいなので、ここでは「匂い」を使います。
「臭い」の例文
例文1:路地裏に入るととたんにゴミの臭いが鼻についた。
「ゴミのにおい」はゴミの鼻で感じる刺激の中で不快なもののにおいなので、ここでは「臭い」を使います。
例文2:彼が持ちかけてきたお金儲けの話は犯罪の臭いがする。
「犯罪のにおい」は犯罪のように不快なものの雰囲気を表わすにおいなので、ここでは「臭い」を使います。
論文・小論文で「匂い」と「臭い」を使い分ける視点
「におい」は「匂い」と「臭い」の漢字がありますが、不快かどうかで使い分けを行います。「匂い」は心地いい、もしくは不快でないもの、「臭い」は不快なものに使います。論文・小論文では、区別して正しく使えるようにしましょう。