失敗をおそれる 「恐れる」「怖れる」「畏れる」正しい漢字はどれ?

「おそれる」という言葉を漢字で表した場合、「恐れる」「怖れる」「畏れる」などが思い浮かぶと思います。それぞれにはどのような違いがあり、論文・小論文ではどのように使っていけばいいでしょうか。ここでは「恐れる」「怖れる」「畏れる」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「恐れる」「怖れる」「畏れる」の違い

恐れる(おそれる)
意味:こわがること。
「恐れる」は、こわがるほかに、心配する、不安を感じるという意味で使われます。3つの中で一番広く使われている漢字です。
怖れる(おそれる)
意味:おじける、びくびくすること。
「怖れる」は常用外漢字なので、「恐れる」が変わりに使われることもあります。
畏れる(おそれる)
意味:かしこまること。
「畏れる」は、圧倒的な存在に対してつつしんだ態度になる、おそれはばかるという意味で使われます。

失敗をおそれるは恐れるが正しい

「失敗をおそれる」は失敗をこわがることなので、ここでは「恐れる」が正解です。「怖れる」を使うこともありますが、常用外漢字なので、「恐れる」の方が広く使われます。

「恐れる」の例文

例文1:人は死を恐れるから神を信じて祈るのである。

「死をおそれる」は死の不安を感じるという意味なので、ここでは「恐れる」を使います。

例文2:津波の危険を恐れて、ウォーターフロントの建物には住まないようにしている。

「危険をおそれる」は危険を不安に感じるという意味なので、ここでは「恐れる」を使います。

「怖れる」の例文

例文1:子供の頃、私はおばけを怖れていて夜一人でトイレに行くことができなかった。

「おばけをおそれる」はおばけにびくびくすることなので、ここでは「怖れる」を使います。

例文2:彼女はちょっとした物音にも怖れるほどの怖がりだ。

「物音におそれる」は物音にびくびくすることなので、ここでは「怖れる」を使います。

「畏れる」の例文

例文1:神をも畏れぬ行為で自然の破壊を行っていると、いずれか人間にそのつけは回ってくるだろう。

「神をもおそれぬ」は神をもおそれはばからないということなので、ここでは「畏れる」を使います。

例文2:上司に自分のわがままを聞いてもらおうというのは畏れ多いことだ。

「おそれ多い」は身分不相応でおそれはばかるということなので、ここでは「畏れる」を使います。

論文・小論文で「恐れる」「怖れる」「畏れる」を使い分ける視点

「おそれる」は「恐れる」「怖れる」「畏れる」がありますが、「怖れる」はびくびくする、「畏れる」はおそれはばかる、「恐れる」はそれ以外と覚えておきましょう。論文・小論文では頻出の漢字ですが、「恐れる」と「怖れる」の区別に迷うような時は、常用漢字の「恐れる」を積極的に使うようにしましょう。

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