ふような出費 「不要」「不用」正しい漢字はどっち?

いらないという意味の「ふよう」ですが「不要」「不用」の2つの漢字があります。論文・小論文では頻出の漢字ですが、その使い方は意外と間違えやすいところも。ここでは「不要」「不用」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「不要」と「不用」の違い

不要(ふよう)
意味:必要でないこと。
「不要」は自分・もしくはある人にとって不必要ということであり、あると余計という意味です。もの・事柄両方に使えます。対義語は、「必要」になります。
不用(ふよう)
意味:役に立たないこと。
「不用」はもう使えない用済みのものということであり、あるだけで無駄・無益という意味です。ものにしか使えません。対義語は「有用」になります。

ふような出費は不要が正しい

「ふような出費」は不必要で余計な出費ということなので、ここでは「不要」が正解です。用済みな出費という意味ではないため、「不用」にはなりません。

「不要」の例文

例文1:返信不要と言われたら、返事を書かなくても失礼には当たらない。

「返信ふよう」は返信の必要がないということなので、ここでは「不要」を使います。

例文2:バイト希望者は、履歴書は不要なので時間になったら集まってください。

「履歴書はふよう」は履歴書は用意する必要がないということなので、ここでは「不要」を使います。

「不用」の例文

例文1:引越しするので、これを機に不用な家具を処分した。

「ふような家具」は役に立たない、もうすでに用済みの家具のことなので、ここでは「不用」を使います。

例文2:壊れてもう遊べないおもちゃは今度不用品の回収車が巡回した時に回収してもらおうと思う。

「ふよう品の回収」は役に立たない、無益なものの回収ということなので、ここでは「不用」を使います。一方で「不要品」という言い方もありますが、こちらは「使えなくなったもの」ではなく、自分にとって「要らなくなったもの」を意味しています。そのため、リサイクルに出すこともできて、他人には有用なものを指すときに使います。ですが、今回は「壊れてもう遊べない」用済みのものなので、「不用品」となります。

論文・小論文で「不要」と「不用」を使い分ける視点

「ふよう」は「不要」「不用」の2つがありますが、「不要」は余計と感じるもの、「不用」は無益と感じるもので区別しましょう。論文・小論文では頻出の漢字なので、それぞれをきちんと使い分けて文章に書けるようにしておきましょう。