「たよう」という言葉は「多様」「多用」の2つの漢字がありますが、漢字はよく似ていますが、意味は全く違います。そこで、論文・小論文を書く時には注意して使うようにしましょう。ここでは「多様」「多用」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「多様」と「多用」の違い
多様(たよう)
意味:さまざま、いろいろ。
違ったものが多く存在する状況、たくさんの種類のものが多く存在する状況という意味で使われます。対義語は「一様」や「一律」になります。
多用(たよう)
意味:用事が多いこと、何かを多く用いること。
「多用」はそのほかに頻繁に使用することを意味します。
引用をたようした論文は多用が正しい
「引用をたようした論文」は引用を多く用いることを意味しているので、ここでは「多用」が正解です。
「多様」の例文
例文1:生き物には多様性があったほうが、環境変化が生じても生き延びやすい。
「たよう性」は違ったものが多く存在するという意味なので、ここでは「多様」を使います。
例文2:多様な価値観が面白いアイデアを生み出すと思える。
「たような価値観」はたくさんの価値観が多く存在するという意味なので、ここでは「多様」を使います。
「多用」の例文
例文1:ご多用中お仕事を頼んでしまって恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
「ごたよう中」はお忙しい中という意味なので、ここでは「多用」を使います。
例文2:彼の小説はカタカナを多用しているイメージがある。
「カタカナをたようしている」はカタカナを頻繁に使っているという意味なので、ここでは「多用」を使います。
論文・小論文で「多様」と「多用」を使い分ける視点
よく使われる「たよう」という言葉ですが、「多様」はさまざま、いろいろなこと、「多用」は用事が多いこと、頻繁に使うことをいいます。論文・小論文では誤用しやすい漢字なので、きちんと正しく使えるようにしましょう。