適したことを表す「てきせい」という言葉ですが、「適正」「適性」の2種類があります。それぞれは意味が違うので、論文・小論文で使う時にはその点に気を付けて正しく書けるようにしましょう。ここでは、「適正」「適性」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「適正」と「適性」の違い
適正(てきせい)
意味:ものごとが正しい状態にあること。
「適正」は基準や条件によくあてはまっていて、それがちょうどいい、適している様子を表します。
適性(てきせい)
意味:適した性質のこと。
人間の持っているスキルや性質、身体能力などが、対象となる事象(例えば任務など)に対して向いているか、適しているかという可能性を表します。「適性」は、「ある」や「ない」もしくは「高い」「低い」などでその度合いを表現します。
てきせい価格は適正が正しい
売り手側の利益率と購入者の手ごろに思う値段感覚との間でバランスの取れた値を見つけ出し商品価格を付けることが「てきせい価格」となるので「適正」が正解です。ちょうどいい価格というわけですね。
「適正」の例文
例文1:食べ物は適正な量を摂取することが大事だ。
「てきせいな量」はちょうどいい量のことなので、ここでは「適正」を使います。
例文2:ごみは適正に分別して処理をしないとならない。
「てきせいに分別する」は正しい状態に分別することなので、ここでは「適正」を使います。
「適性」の例文
例文1:健康診断の結果、パイロットの適性がないことがわかった。
「適性がない」は適した性質がないということなので、ここでは「適性」を使います。
例文2:私は教えることが下手なので教師の適性には欠いていると思う。
「適性に欠く」は適した性質がないということなので、ここでは「適性」を使います。
論文・小論文で「適正」と「適性」使い分ける視点
適していることを意味する「てきせい」は「適正」「適性」と2つありますが、それぞれの意味は異なります。「適正」はちょうどいいこと、「適性」は向いていることと捉えておきましょう。論文・小論文ではよく出る漢字であり、間違いやすい漢字でもあるので気を付けて書くようにしましょう。