「積む」「摘む」「詰む」は同じ「つむ」という読み方ですが、それぞれに意味が違うので、論文・小論文では気を付けて使わないとならない感じでもあります。ここでは、「積む」「摘む」「詰む」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「積む」「摘む」「詰む」の違い
積む(つむ)
意味:ものの上に更にものを重ねること。
「積む」はものの上に更にものを重ねることをいいますが、荷物を運ぶために船や車などに載せるという意味にも使います。「経験を積む」など物事を繰り返し行うというニュアンスもあります。
摘む(つむ)
意味:草花などの一部をつまみ取ること。
「摘む」は草花などの一部をつまみ取ることを意味しますが、転じて「悪の芽を摘む」など、大きくならないうちに取り除くという意味の比喩的用法にも使われます。
詰む(つむ)
意味:行きづまること。
「詰む」は行きづまる、窮するという意味ですが、転じて将棋で王将が囲まれて逃げ場がなくなることにも使います。また、布地などの目が密になるニュアンスもあります。
お金をつむは積むが正しい
「お金をつむ」はお金の上に更にお金を重ねることを意味するので「積む」を使います。
「積む」の例文
例文1:荷物を車の荷台に積む。
「荷台につむ」は荷物を運ぶために車に荷物を載せるという意味なので「積む」を使います。
例文2:うず高く積まれた商品の中からお目当ての品を探し出す。
「うず高く積む」は商品の上に更に商品を重ねるという意味なので「積む」を使います。
「摘む」の例文
例文1:いちご狩りでは好きなだけいちごを摘むことができる。
「いちごを摘む」はいちごをつまみ取ることなので「摘む」を使います。
例文2:生徒の成長の芽を摘むようでは教師失格だ。
「芽をつむ」は比喩的表現として成長の芽をつまみ取ることなので「摘む」を使います。
「詰む」の例文
例文1:せっかくの休みなのに休日出勤になり気持ちが詰んだ。
「気持ちがつむ」は気持ちの逃げ場がなく行きづまるということなので「詰む」を使います。
例文2:淡白なのに味わい深いのは味の密度が詰んでいるからだ。
「密度がつんでる」は味が深く染みて密になるということなので「詰む」を使います。
論文・小論文で「積む」「摘む」「詰む」を使い分ける視点
「積む」「摘む」「詰む」は同じ「つむ」と読みますが、その意味は全く違います。「積む」はものにものを重ねる、「摘む」は草花をはさみとる、「詰む」は逃げ場がなくなるという意味になります。それぞれの意味は重なることがないので、しっかりと使い分けができるようにしておきましょう。意味が違う同じ音の言葉は、論文・小論文で間違えて使うと意味が通らなくなってしまうため、そうならないためにも言葉の意味を理解しておきましょう。