「穴があったら入りたい」の意味と例文

「穴があったら入りたい」は故事成語ですが、実際にはどのように使って行けばいいでしょうか。ここでは「穴があったら入りたい」の意味や例文について紹介していきます。

「穴があったら入りたい」の読み方

読み方:あながあったらはいりたい
「穴があったら入りたい」の「穴」は「あな」と読み「けつ」とは読みません。また、「穴があったら入りたい」はこの形で一つの故事成語となっているので、「穴があれば入りたい」「穴があれば入る」などバリエーションはありません。この形で覚えておきましょう。

「穴があったら入りたい」の意味

意味:恥ずかしくてその場に居られず身近に穴があればそこに隠れたいような気持ち
「穴があったら入りたい」は中国の『賈誼新書』に「季孫これを聞きて慙ぢて曰く、穴をして入るべからしめよ、吾豈宓子を見るに忍びんや」(季孫は浅はかな自分を恥じて、穴があったら入りたい。宓子に会わせる顔がないほど恥ずかしい)と書かれていることに由来すると言われています。魯の地方の領であった季孫は斉が攻撃をしてくることを知って、町長である宓子に敵の食料にならないように町中の麦を全員で刈るよう命じました。ですが、宓子はその命令に従わず、結果的に麦は敵の食料にされてしまいます。領主は町長を短絡的に責めますが、町長は「麦は来年また蒔けはいいが、領民は労働意欲をなくすことは、略奪を許す曲がった精神を根づかせる」と反論します。それを知った季孫が自分の浅はかさを知り、「穴があったら入りたい」といったと言われています。「穴があったら入りたい」は自分のことを恥じて使うことはできますが、照れたり居心地が悪かったりするだけでは使えません。

「穴があったら入りたい」の例文

例文1:こんな初歩的なミスをするなんて、恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちです。
例文2:恥ずかしい格好をみんなに見られて、穴があったら入りたいと切に思った。
例文3:みんなの前でうまく話せなくて穴があったら入りたいぐらいなのに、再度壇上で話をするなんて無理です。
例文4:お笑いのプロとして自信を持って舞台に立ったけど、笑いが取れずに穴があったら入りたい気持ちになった。
例文5:優秀だと言われていい気になっていたら、ただの井の中の蛙だったことがわかったので穴があったら入りたい気持ちです。

「穴があったら入りたい」をうまく用いる

「穴があったら入りたい」は日常でもよく使われる故事成語です。論文・小論文でもきちんと使って豊かな文章になるように工夫してみましょう。