「渡りに船」の意味と例文

「渡りに船」は日常でもよく使われる慣用句です。具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「渡りに船」の意味と例文を紹介していきます。

「渡りに船」の読み方

読み方:わたりにふね
「渡りに船」の「船」は「せん」ではなく「ふね」と読みます。「渡りに船」はこの形で慣用句になっているため、その他のバリエーションはありません。類語は「地獄で仏に会ったよう」「闇夜に提灯」などがあります。

「渡りに船」の意味

意味: 必要なものや希望する条件がちょうど具合よくそろうことのたとえ
「渡りに船」は仏教の経典『法華経』の一文「渡りに船を得たるが如く」に由来すると言われています。法華経で仏は困ったときに突如現れる船のように助けてくれる慈悲のあるものだと説明されていて、そこから、「渡りに船」は、すべての人々を苦しみから救う仏の慈悲のように貴重なものを意味するようになったのですが、徐々に仏教的な意味合いが薄れ、悪事を働く人間にとって都合が良いというような時にも使われるようになったと言われています。

「渡りに船」の例文

例文1:仕事が忙しく昼食を買う時間がなかったが、外出する同僚が買ってくるといってくれたので、渡りに船で頼むことにした。
例文2:手持ちのお金が少ししかなく困っていたら、渡りに船でちょうどタイムセールになったので買うことにした。
例文3:ごみ出しの時間に間に合わず慌てていたら、ちょうど家の近くにごみ収集車がやってきたので渡りに船で持っていってもらうことにした。
例文4:家に食材がなくお昼ご飯に困っていたら、ちょうどキッチンカーがやってきたので渡りに船で買いに行った。
例文5:出さないとならない郵便物があったが、手が離せない仕事があり困っていたら、渡りに船で父が出してきてくれた。

「渡りに船」をうまく用いる

「渡りに船」は日常でよく使われる慣用句です。論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。