古いことを表す「きゅうかん」は「旧館」「旧観」「旧慣」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではどうやって使えばいいのか、しっかりと理解して使えるようにしておきましょう。ここでは、「旧館」「旧観」「旧慣」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「旧館」「旧観」「旧慣」の違い
旧館(きゅうかん)
意味:以前からある古いほうの建物。
「旧館」の対義語は「新館」になります。
旧観(きゅうかん)
意味:もとの姿、昔のありさま。
旧慣(きゅうかん)
意味:古くからのならわし。
きゅうかん使用権が与えられるは旧慣が正しい
「きゅうかん使用権が与えられる」は古くからのならわしとして、その市町村の住民であることで特例として認められる公法上の権利のことをいうので、ここでは「旧慣」が正解です。
「旧館」の例文
例文1:旧館はファミリー向けの宿泊施設がありますが、新館は単身者向けの宿泊施設があります。
「きゅうかんの宿泊施設」は以前からある古いほうの建物の宿泊施設のことなので、ここでは「旧館」を使います。
例文2:新館ができたので旧館と呼ばれているが、まだできて5年しか経っていない。
「きゅうかんと呼ばれる」は新館に対して以前からある古いほうの建物の呼び名のことなので、ここでは「旧館」を使います。
「旧観」の例文
例文1:変わりゆく街の中でこの寺院だけが旧観を保っている。
「きゅうかんを保つ」は昔のありさまを保つということなので、ここでは「旧観」を使います。
例文2:今日の宿は旧観を色濃く保つ歴史あるホテルを選んだ。
「きゅうかんを保つ」は昔のありさまを保つということなので、ここでは「旧観」を使います。
「旧慣」の例文
例文1:町内会が旧慣墓地を管理している。
「きゅうかん墓地」は、古くからのならわしとして、市が運営し町内会等が管理する墓地をいうので、ここでは「旧慣」を使います。
例文2:この土地は特定の市民に旧慣による権利が与えられている。
「きゅうかんによる権利」は古くからのならわしによる権利のことなので、ここでは「旧慣」を使います。
論文・小論文で「旧館」「旧観」「旧慣」を使い分ける視点
古いことを表す「きゅうかん」は「旧館」「旧観」「旧慣」がありますが、意味はすべて違います。「旧館」は以前からあるほうの建物、「旧観」はもとの姿、「旧慣」は古いならわしを表します。論文・小論文では漢字に気を付けてきちんと使い分けるようにしましょう。