いっそう厳しくなる 「一層」「一掃」「逸走」正しい漢字はどれ?

「いっそう」は「一層」「一掃」「逸走」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではきちんと意味を把握して文中で使えるようにしましょう。ここでは、「一層」「一掃」「逸走」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「一層」「一掃」「逸走」の違い

一層(いっそう)
言葉:前よりも程度が増すこと。いま一段。むしろ。
「一層」はその他にひとかさねの意味や何層もある建物の一番下の階のことを意味します。
一掃(いっそう)
言葉:一度にすべて払いのけること。
「一掃」はその他に野球で出塁中のランナーを全員ホームインさせるときにも使います。
逸走(いっそう)
言葉:走って逃げること。
「逸走」はその他に一定のコースから逸れて走ることを意味することもあります。

いっそう厳しくなるは一層が正しい

「いっそう厳しくなる」は前よりも程度が増して厳しくなることなので、ここでは「一層」が正解です。

「一層」の例文

例文1:頑張ったけれど優勝できなかったので、今後は一層練習をしないといけないと思った。

「いっそう練習しないといけない」は前よりも程度を増して練習しないといけないということなので、ここでは「一層」を使います。

例文2:本格的な寒波で寒さが一層厳しくなってきた。

「いっそう厳しくなってきた」は前よりも程度が増して厳しくなってきたことなので、ここでは「一層」を使います。

「一掃」の例文

例文1:入試が近づくにつれて倍増する不安を一掃すべく、必死に勉強に打ち込んだ。

「不安をいっそうする」は不安を一度にすべて払いのけることなので、ここでは「一掃」を使います。

例文2:新しい社長が就任したおかげで、会社の悪しき習慣が一掃された。

「悪しき習慣がいっそうされた」は悪い習慣を一度にすべて払いのけることなので、ここでは「一掃」を使います。

「逸走」の例文

例文1:競争馬が逸走したら、そこに戻って再度スタートしなくてはならないというルールがある。

「競走馬がいっそうする」は競走馬がコースから逸れて走ることなので、ここでは「逸走」を使います。

例文2:犯人は警察の姿を見るなりたくさんの群集をかき分けて会場の外に逸走した。

「会場の外にいっそうする」は会場の外に走って逃げることなので、ここでは「逸走」を使います。

論文・小論文で「一層」「一掃」「逸走」を使い分ける視点

「いっそう」は「一層」「一掃」「逸走」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文では「一層」は前よりも程度が増す、「一掃」は一度にすべて払いのける、「逸走」は走って逃げるという意味になります。論文・小論文ではそれぞれの違いに気を付けて文中で上手に使っていくようにしましょう。