「ようしき」は「様式」「要式」「洋式」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文で使う時はそれぞれの意味を理解して正しく使えるようにしましょう。ここでは「様式」「要式」「洋式」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「様式」「要式」「洋式」の違い
様式(ようしき)
意味:形式・型、表現形態のこと。
「様式」は、長い時間をかけてその社会に自然に形成されてきた共通の形式や型、または書類などの一定の形式のことを言います。また、ロココ様式など芸術作品や建築物などに見られる独特の表現形態を意味することもあります。
要式(ようしき)
意味:一定の方式に従うことを必要とすること。
「要式」は、主に法律の世界でよく使われる言葉で、法律上の効力を発生させるために、必ず従わなければならないとされる一定の方式・手続が必要である方式のことを言います。
洋式(ようしき)
意味:西洋風のこと。
「洋式」は、西洋風であること、西洋の洋式という意味です。対義語は「和式」となります。
書類のようしきを整えるは様式が正しい
「書類のようしきを整える」は書類の形式・型を整えることを言うので、ここでは「様式」が正解です。
「様式」の例文
例文1:給付金をもらうときは、申請書の様式をきちんと守ったものを提出しなくては受理されない。
「申請書のようしき」は申請書の形式・型のことを言うので、ここでは「様式」を使います。
例文2:外国ではゴシック様式の建築があちこちで見られたので面白かった。
「ゴシックようしき」は芸術作品や建築物などに見られるゴシックの表現形態を言うので、ここでは「様式」を使います。
「要式」の例文
例文1:要式証券には手形・小切手・株券などがある。
「ようしき証券」は一定の方式に従うことを必要とする有価証券のことなので、ここでは「要式」を使います。
例文2:2人の間で離婚協議ができていたとしても、離婚届提出という要式行為を行わなければ何の効力も持たない。
「ようしき行為」は一定の方式に従うことを必要とする行為なので、ここでは「要式」を使います。
「洋式」の例文
例文1:今度の家は様式トイレが付いているので、ずいぶんと使いやすい。
「ようしきトイレ」は西洋風のトイレのことなので、ここでは「洋式」を使います。
例文2:洋式の生活をするために、畳の和室を作らないことにした。
「ようしきの生活」は西洋風の生活のことなので、ここでは「洋式」を使います。
論文・小論文で「様式」「要式」「洋式」を使い分ける視点
「ようしき」はいくつも同音異義語がありますが、「様式」「要式」「洋式」すべて意味が違います。「様式」は形式・型のこと、「要式」は法律で一定の方式に従うことを必要とすること、「洋式」は西洋風のことを言います。論文・小論文ではそれぞれの語の意味をチェックしながら文中で正しく使えるようにしていきましょう。