見ることに関係する「しかく」という言葉は「視覚」「視角」「死角」の漢字があります。似たような意味ですが、それぞれ違いがあるので論文・小論文では文中できちんと使えるよう区別して覚えておきましょう。ここでは「視覚」「視角」「死角」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「視覚」「視角」「死角」の違い
視覚(しかく)
意味:目で見る感覚の働き。
「視覚」は目に光の刺激を受けて生じる感覚のことで、網膜に光が当たると視細胞から視神経を通して大脳の視覚野に伝えられています。
視角(しかく)
意味:目と見る物体との角・視点。
「視角」は見ている物体の左右または上下の両端が眼に対して張る角度のことを言います。視角で人間の眼は物体の大きさを判断しています。
死角(しかく)
意味:撃てない・見えない範囲。
「死角は」ある角度からは見ることができない範囲のことを言います。
緑内障などしかく障害を疑うは視覚が正しい
「緑内障などしかく障害を疑う」は緑内障など目で見る感覚の働きの障害を疑うことをいうので、ここでは「視覚」が正解です。
「視覚」の例文
例文1:目が見えない人は視覚障害者といわれ、目の変わりに点字ブロックなどを白杖で叩くことで行き先を確認している。
「しかく障害者」は目で見る感覚の働きに障害がある人のことを指すので、ここでは「視覚」を使います。
例文2:視覚だけに頼っていると先入観でミスを犯しやすくなる。
「しかくに頼る」は目で見る感覚の働きに頼ることを指すので、ここでは「視覚」を使います。
「視角」の例文
例文1:緑内障に患うと視角が狭くなり、失明する危険性がある。
「しかくが狭くなる」は目と見る物体との角が狭くなることをいうので、ここでは「視角」を使います。
例文2:草食動物の中には危険をいち早く察知するため、人よりも視角が広い動物は多い。
「しかくが広い」は目と見る物体との角が広いことをいうので、ここでは「視角」を使います。ここでは「視角」を使います。
「死角」の例文
例文1:ちょうど死角に猫が潜んでいて、もうちょっとで車で轢いてしまうところだった。
「しかくに潜む」は見えない範囲に潜むことをいうので、ここでは「死角」を使います。
例文2:万全にしていたつもりだが、警備の死角を突かれて突然襲いかかられた。
「しかくを突かれる」は見えない範囲のことをいうので、ここでは「死角」を使います。
論文・小論文で「視覚」「視角」「死角」を使い分ける視点
見ることに関係する「しかく」は「視覚」「視角」「死角」がありますが、「視覚」は目で見る感覚、「視角」は見える角度、「死角」は見えない部分を表します。論文・小論文では違いを区別した上で文中で使えるようにしておきましょう。