日本料理には「かいせき」がありますが、「かいせき」には「会席」「懐石」の2つの漢字があります。論文・小論文では違いを理解した上で文章に反映できるようにしましょう。ここでは、「会席」「懐石」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「会席」と「懐石」の違い
会席(かいせき)
意味:寄り合いの席や酒席での豪華な料理。
「会席」は宴会や会食でのコース形式の日本料理を指し、お酒を嗜むための料理です。献立は、懐石料理と同じく一汁三菜を基本としていますが、刺身・なます、吸物・煮物、焼物・焼魚・お通し・揚げ物・蒸し物・和え物・酢の物などの肴が連なり、最後に飯・味噌汁・香の物、そして水菓子となります。飯と汁ものは最後に提供されます。
懐石(かいせき)
意味:茶の湯の前にいただく簡素な料理。
「懐石」はがお茶を嗜むためお客さんにもてなす軽い食事を指します。茶道の侘び寂びを表現するところから、少量で旬の素材を活かしてもてなすということが原則となっています。そのため、一汁三菜を基本とし、飯と汁ものが最初に提供されます。現在の懐石料理は、お茶をふるまうためのお料理だという意味は薄れているため、お茶会のために供されるお料理は「茶懐石」と呼ばれています。
かいせきの場を設けるは会席が正しい
「かいせきの場を設ける」は豪華な料理を食べる酒席の場を設けるということなので、ここでは「会席」が正解です。
「会席」の例文
例文1:会席の場で披露される舞踊を楽しみにしている。
「かいせきの場」は豪華な料理を食べる酒席の場を設けるということなので、ここでは「会席」を使います。
例文2:社長を招くので会席料理を振る舞う店を予約した。
「会席料理」は酒席での豪華な料理のことなので、ここでは「会席」を使います。
「懐石」の例文
例文1:お茶の席では懐石料理が提供されるので、食事していく必要はないだろう。
「かいせき料理」はお茶の席の一汁三菜の簡素な料理のことなので、ここでは「懐石」を使います。
例文2:簡単なかいせき料理を食べてきたので、夕食は必要ありません。
「簡単なかいせき料理」は簡単な一汁三菜の簡素な料理のことなので、ここでは「懐石」を使います。
論文・小論文で「会席」と「懐石」を使い分ける視点
日本料理を表す「かいせき」は「会席」「懐石」の2つがありますが、「会席」はお酒を嗜む豪華な料理、「懐石」はお茶を嗜む質素な料理と覚えておきましょう。論文・小論文では正しくそれぞれの言葉を使えるようにしましょう。