「かく」は「書く」と「描く」がありますが、両者とも記すという点で同じような意味なのですが、それぞれ違いはあり、論文・小論文では区別して使わなくてはなりません。ここでは、「書く」と「描く」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「書く」と「描く」の違い
書く(かく)
意味:文字や記号などを記すこと。
「書く」は「本を書く」のように、文章にするという意味にも使います。その際、手書きだけでなく、パソコンなどで打つときも含まれます。英語の「write」にあたります。
描く(かく)
意味:絵や図形、模様を表すこと。
「描く」は「描写」というように、心に感じたものを芸術的に表現するというニュアンスがあります。そのため、絵、図形、イラスト、デザイン、設計図など芸術的なものを表すときに使います。「描く」と書いて「えがく」とも読みます。英語の「draw」「paint」「sketch」にあたります。
イラストをかくは描くが正しい
「イラストをかく」は、イラストという絵や図形、模様を表すことなので、ここでは「描く」が正解です。
「書く」の例文
例文1:彼は作家なので、今まで数多くの本を書いてきた。
「本をかいてきた」は、文章を作るということなので、ここでは「書く」になります。
例文2:電話番号を聞かれたので、メモ帳にさっと書いて手渡した。
「電話番号をさっとかいて手渡した」は、さっと文字や記号などを記して手渡したということなので、ここでは「書く」になります。
「描く」の例文
例文1:友達の似顔絵を描いたところ、似てないと言われた。
「似顔絵をかく」は、絵や図形、模様を表すことなので、ここでは「描く」になります。
例文2:無機質なノートでも、イラストを描くとずいぶん雰囲気が変わった。
「イラストをかく」は絵や図形、模様を表すことなので、ここでは「描く」になります。
論文・小論文で「書く」と「描く」を使い分ける視点
「書く」「描く」両方とも記すという意味ですが、「書く」は記号や文章、「描く」は絵や図形などを芸術的なものと捉えておきましょう。論文・小論文では、それぞれの意味を把握したうえで、適切に使えるようにしていきましょう。