「雲泥の差」の意味と例文

「雲泥の差」の「雲泥」は「くもどろ」ではなく「うんでい」と読みます。「雲泥の差」はこの形で慣用句になっているため、その他のバリエーションはありません。類語は「天地雲泥」「雲泥万里」「月とすっぽん」などがあります。

「雲泥の差」の「雲」は高い空を表し、「泥」は低い大地を表すことから天と地のように対極にあるものの差が非常に大きいことのたとえを表します。また、「雲」は雲の上の人などの言葉にもあるように「高い」「優れた」というニュアンスがあり、逆に「泥」は「泥くさい」など「野暮ったい」などのマイナスのニュアンスがあります。そのため、「雲泥の差」は格差の大きさを表す場合もあります。「雲泥の差」は唐代の詩人である白居易『傷友』の詩「昔年洛陽社　貧賤相提擕　今日長安道　對面隔雲泥」に由来すると言われています。「昔洛陽にいた頃は貧しい中助け合った仲だったが、今日、長安の道で出会ったのに振り向きもしなかった君に雲泥の隔たりを感じた」という意味で、昔は仲が良かった友達と疎遠になってしまったことを「雲泥の差」と表したことにあります。また、日本でも菅原道真が編纂した漢詩文集「菅家文集」に「雲泥、地の高く卑しきことを許さず」と「雲泥」という言葉が見られ、ここでも天と地が大きく隔たっているという意味で使われていて、ここから広まったとも考えられています。