「犬猿の仲」は日常でもよく使われることわざです。具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「犬猿の仲」の意味と例文を紹介していきます。
「犬猿の仲」の読み方
読み方:けんえんのなか
「犬猿の仲」の「犬猿」は「いぬさる」ではなく「けんえん」と読みます。また「仲」は「ちゅう」ではなく「なか」と読みます。「犬猿の仲」はこの形で慣用句になっているため、その他のバリエーションはありません。類語に「犬と猿」などがあります。
「犬猿の仲」の意味
意味:互いに仲が悪いこと
「犬猿の仲」の由来はいくつかあると言われています。1つ目は干支の順番に関係していて、干支の順番は神様の元にたどり着いた順でしたが、その際、犬と猿が喧嘩をしたと言われています。ちなみに、鶏が仲裁したから、猿、鶏、犬の順になったそうです。2つ目は猟に出た猟師の話に関係していて、猟師が犬と猿をお供に猟に出かけた際、熊に遭い、犬は主人を守るために戦ったのに対して、猿は逃げてしまったところから仲が悪くなったと言われています。また、同じく犬を連れて猟に行ったところ、縄張り意識の強い野生の猿が犬を威嚇したところから猿と犬は仲が悪いと思ってしまったという説もあります。日本では豊臣秀吉は猿といわれていて、親友の前田利家の幼名を犬千代と言ったところから、互いに犬や猿と呼び合っていて、尾張の2人の言葉が汚くて喧嘩に見えたという説もあります。3つ目は犬と猿の性質の違いから、犬は人間にとって忠実で良い存在なのに、猿は畑を荒らす悪い存在というところから、性質の違う2匹は仲がいいはずがないという思いから出来たという説です。4つ目は中国『西遊記』の中の孫悟空の話で、孫悟空が暴れまわって泥棒しようとしたのを犬が果敢に立ち向かって捉えたというところから、犬と猿は仲が悪いと考えられるようになったとも言われています。
「犬猿の仲」の例文
例文1:2人の息子はお互いに犬猿の仲で兄弟なのに喧嘩ばかりしている。
例文2:部長と課長は犬猿の仲で何かというと言い争っている。
例文3:あの二人が犬猿の仲なのは有名だから共演NGだ。
例文4:AくんとBくんは犬猿の仲だから一緒にするとトラブルのもとだ。
例文5:先生はAくんとBくんが犬猿の仲なのを知っているのでわざと席を離している。
「犬猿の仲」をうまく用いる
「犬猿の仲」は日常でよく使われることわざです。論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。