「嘘も方便」の意味と例文

「嘘も方便」は日常でもよく使われることわざです。それでは具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「嘘も方便」の意味と例文を紹介していきます。

「嘘も方便」の読み方

読み方:うそもほうべん
「嘘も方便」の「方便」は「ほうべん」と読みます。「嘘も方便」はこの形でことわざになっているため、その他のバリエーションはありません。類語は「嘘つき世渡り上手」「嘘は世の宝」「嘘も重宝」、対義語は「嘘つきは泥棒の始まり」などがあります。

「嘘も方便」の意味

意味:よい結果を得るためには嘘つくことも必要で許されるということ
「嘘も方便」は仏教界から伝えられ、由来としては三つの説があると言われています。一つ目は、「法華経譬喩品」の「三車火宅」で、これは長者の家で遊びに夢中の子供を火事になった家から助けるため、子供が興味を引くことをいい、外に連れ出すことに成功したという話です。二つ目は、原始仏典「クッダカニカーヤ」の「長老尼の譬喩」の「キサーゴータミーの譬喩」のストーリーで、母親のキサーゴータミーは亡くした幼い息子を生き返らせようと釈迦に薬を求めたところ、釈迦に一人も死人を出したことのない家からケシの実をもらってくるよう言われました。キサーゴータミーは村中の家を訪ねたところ、死人が出たことのない家はないことに気づき、人は生きる上で死は避けられないと悟ったという話です。3つ目は原始仏典「マッジマニカーヤ」の「アングリマーラ経」で、釈迦が難産で苦しむ妊婦を勇気づけるために、出家以前に殺人鬼であった弟子アングリマーラに対して、「女人よ、私は、聖なる生を得てからこのかた、故意に生きるものの生命を奪ったという覚えがない。その真実によって、あなたに安らぎが、胎児に安らぎがあるように」と言うように命じる場面があり、その言葉で妊婦は苦痛を和らげることができたという話です。これら3つの話が 「嘘も方便」の由来になったと言われています。

「嘘も方便」の例文

例文1:子供たちを喜ばせるために本当にサンタクロースがいるかのように話すのも嘘も方便だろう。
例文2:嘘も方便で孫が会いたがっているといえば、祖父母も嫌な気はしないだろう。
例文3:自分が選んだ母のプレゼントを妻からと言っておけば嘘も方便で嫁姑関係はずいぶんとよくなるはずだ。
例文4:正直に料理の中に息子が嫌いなニンジンが入っていると言ういうよりも嘘も方便で入っていないといった方が残さずに食べてくれるだろう。
例文5:付き合うのは初めてというより、嘘も方便でもう何人もの女性と付き合ったことがあるといったほうが相手も安心するだろう。

「嘘も方便」をうまく用いる

「嘘も方便」は日常でよく使われることわざです。日常の様々なシーンで使われているため、論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。

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