「きかい」には「機械」と「器械」という漢字がありますが、論文・小論文ではそれぞれの意味に合わせた使い方ができるように、これを機会にしっかりと把握しておきましょう。ここでは、「機械」「器械」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「機械」と「器械」の違い
機械(きかい)
意味:動力装置を持つしかけのこと。
「機械」はエンジンやモーターなどの動力を発生させる装置を内蔵し、動力によって一定の運動をくりかえすしかけや道具のことをいいます。一般的には、複雑なしくみを備えている規模の大きな物を指します。
器械(きかい)
意味:動力装置をもたない道具のこと。
「器械」は動力装置をもたない単純な道具のことを言います。ふつうは、医療や実験、測定などに使用するための器具などの道具や運動競技に使う装置・道具などを指します。
きかい体操は器械が正しい
「きかい体操」は鉄棒、平行棒、あん馬、跳馬、平均台などの動力装置を持たない道具を使って行う体操競技のことなので、ここでは「器械」が正解です。
「機械」の例文
例文1:ショベルカーやクレーン車は建設機械です。
「建設きかい」はショベルカーやクレーン車など、動力が必要となるものなので、ここでは「機械」を使います。
例文2:工場の機械は常にメンテナンスが必要になります。
「工場のきかい」は一般的には動力を使って動かす大型のものが多いため、ここでは「機械」を使います。
「器械」の例文
例文1:レンズやミラーなどの光学器械を使って微生物や細菌を観察する。
「光学きかい」は微生物や細菌を観察するレンズやミラーなどの動力がいらない小型のものなので、ここでは「器機」を使います。
例文2:理科の時間に実験するための簡易的な実験器械を作った。
「実験きかい」は動力を使わず学内で実験できるよう簡易的に作るものなので、ここでは「器機」を使います。
論文・小論文で「機械」と「器械」を使い分ける視点
「きかい」は「機械」「器械」と2種類の漢字がありますが、「機械」は動力を使う大型のもの、「器械」は動力を使わない比較的簡易的なものや小型のものを指します。論文・小論文ではそれぞれ区別して使えるようにしておきましょう。