「蟻の穴から堤も崩れる」の意味と例文

「蟻の穴から堤も崩れる」はあまり耳にすることがない故事成語なのですが、使えたら教養が深く感じられる言葉でもあるので、積極的に使っていきましょう。それでは、具体的にはどのように使えばいいのでしょうか。ここでは「蟻の穴から堤も崩れる」の意味や例文を紹介していきます。

「蟻の穴から堤も崩れる」の読み方

読み方:ありのあなからつつみもくずれる
「蟻の穴から堤も崩れる」はこの形でひとつの故事成語になっているため、「蟻の穴から堤が崩れる」や「蟻の穴から堤も崩れた」などのバリエーションはありません。類語に「千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰ゆ」「千里の堤も蟻の穴から」「千丈の堤も蟻の一穴」などがあります。

「蟻の穴から堤も崩れる」の意味

意味:ちょっとの油断が大きな失敗や損害につながるということ
「蟻の穴から堤も崩れる」は頑丈に作った堤防も蟻の穴ような小さな欠落が原因で崩れることがあるということを示唆しています。そのことから、少しの手違いや油断で大きな損害や失敗につながるということを意味します。「蟻の穴から堤も崩れる」の「蟻の穴」は小さな油断を表し、「堤」は失敗や損害につながる物事を表します。「蟻の穴から堤も崩れる」の由来は、中国戦国時代の『韓非子』「喩老」という章で書かれた故事成語をもとにしたことわざだと言われています。白圭は周の商人で治水を行ったことで有名な人物なのですが、章の中で、しっかり築いた長い堤防も小さな蟻の開けた穴で崩れることがあるように、長い家も小さな隙間から入った煙が原因で火事になってしまうことがある。だから、白圭が見回れば水害はなくなるだろうし、老人が用心すれば火災はなくなると言っています。ここから、軽微なうちに用心しておくと損害が大きくなる前に防ぐことができるという意味になったと言われています。

「蟻の穴から堤も崩れる」の例文

例文1:気になるところは徹底的に詰めておかないと、蟻の穴から堤も崩れるの言葉通り、プロジェクト自体が軌道に乗らず失敗に終わってしまうかもしれない。
例文2:危険物を扱っているのに些細なチェックを怠るだなんて、蟻の穴から堤も崩れるでいつ大事につながるかわかったものではない。
例文3:上司からも蟻の穴から堤も崩れるって戒められているから、ちょっとしたミスもないように気を付けたい。
例文4:蟻の穴から堤も崩れるで小さな欠陥を放置していると、あとで取り返しのつかないことになるかもしれない。
例文5:今のうちに社内の反対派を懐柔しておかないと、蟻の穴から堤も崩れるということにもなりかねないよ。

「蟻の穴から堤も崩れる」をうまく用いる

「蟻の穴から堤も崩れる」は使うには難しく感じられる故事成語でもあります。一種の戒めとして「蟻の穴から堤も崩れる」を使うのもありかもしれませんね。論文・小論文でも積極的に使って語彙力アップを目指しましょう。

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